志村けんさん新型コロナウイルスで逝く そして今の日本人に思ってほしい事 

新型コロナウイルス

こんにちは、福です。
悲しい事実ですがコメディアンの志村けんさんがお亡くなりになりました。
小さい頃からテレビを通して楽しませて頂いて、
会ったことも無い方ですが、自分でもびっくりするくらいショックを受けています。

【喪失感】、いなくなってしまった事の虚無感がとても大きいです。

日本テレビの「天才!志村どうぶつ園」での
動物に向ける優しい笑顔が忘れられません。

ここ数日ワイドショーなどで志村さんの人となりを語っていますが、
とてもシャイで紳士的で、気遣いの方だったという事でした。

シャイというのは寡黙でもあったのでしょうか、
こんな話がありました。
お酒をたくさん飲まれることで有名ですが、
一緒に飲まれたことがある和田アキ子さんは
とても無口で静かに飲んでいる志村さんに
「私と飲むのは嫌ですか?」と聞かれた事があるほどだそうです。

撮影ではなく個人的に訪れた食堂では
お好きな食事を幸せそうに召し上がって楽しみながらも、
「とても静かな方だった」と、その様子を見ていた店主は言っています。

また、ヘビースモーカーでもあった志村さんですが、
2016年に肺炎を起こして二週間ほど入院されて後には、
一日に三箱吸っていたタバコを止められたそうです。

私は喫煙はしないので分かりませんが、
喫煙者の方がすっぱり止められるのには、
相当な覚悟と辛抱が必要になるのではないかと思います。
それだけ仕事復帰にかける思いと、
年齢的なことや、仕事柄休むと周りへかかる多大な迷惑などを考えて
健康でなければならないと強く思われたのでしょう。

私達視聴者は作られた姿しか知りませんが、
こういった本当の姿を聞くたびに、尚更の悲しみが募ります。

一人での旅立ち

3月17日=倦怠感から自宅療養
19日=発熱・呼吸困難により入院
21日=意識消失
23日=新型コロナウイルス陽性確認
29日」=逝去
感染症のため入院時から一切の面会は許されず、
亡くなられた後でさへも兄の知之さんは病院でひつぎを見ることができたものの、
感染を防ぐため顔を見ることはできず、火葬にも立ち会うことはできなかったということです。

厚生労働省のホームページによりますと

【墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)】
第3条 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、
死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。
但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。

新型コロナウイルスにより亡くなられた方の遺体は、24時間以内に火葬することができるとされており、必須ではありません(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第30条第3項、新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令第3条)。感染拡大防止対策上の支障等がない場合には、通常の葬儀の実施など、できる限り遺族の意向等を尊重した取扱をする必要があります。

新型コロナウイルスQ&Aによりますと、亡くなられた時の対応を記載していますが、
24時間以内の火葬は致し方ないのかと思われます。

しかし、新型コロナウイルスが指定感染症と認定されたことで、
【新型インフルエンザ等対策ガイドライン】が参考としてあげてありますが、

『Ⅹ 埋火葬の円滑な実施に関するガイドライン』

火葬に先立ち、遺族等が遺体に直接触れることを希望する場合には、遺族等は手袋等を着用させる。

 

関連業者あてのQ&Aですが、

新型コロナウイルスでお亡くなりになったご遺体は非透過性納体袋に収容・密封後に
納体袋の表面を消毒してください。
遺族等の意向にも配意しつつ極力そのままの状態で火葬するよう努めてください。
また、遺体の搬送に際し、遺体が非透過性納体袋に収容、密封されている限りにおいては、
特別の感染防止策は不要であり、遺体の搬送を遺族等が行うことも差し支えありません。

ただ、ご遺族の意向はできるだけ尊重した方が良いともありますので、
感染しないよう充分な手段を講じたうえで面会は許されたのではないかと思い、
この事項だけを読んでしまうと余りにも最期が哀しすぎます。

もちろん医療現場を知る由もない者が、軽々しく話してよい事ではありませんし、
感染力の強い感染症ですので、このようにするしかなかったのだろうとも思います。
一生懸命に回復のために尽くしてくださった病院関係者の方々を責めるつもりもありません。

ただ、Q&Aを読んでしまったので
ひとり身でいた志村さんが、人生の最期に誰に会うことも出来ず
誰に見送られる事も無く荼毘に付され、親族にお骨上げさえしてもらえなかったなんて
悲しくて悔しくて仕方ありません。

今の日本人に向けて

志村さんのお兄様は、葬儀社の方から受け取った志村さんの遺骨を抱いて
自宅に入る前に報道陣の取材に応じ、
「遺骨はまだ温かいです。火葬の前に顔を見られなかったのは残念ですが、
新型コロナウイルスの感染防止のためにはやむをえないと思います。
ひつぎに向かって『長い間お疲れさま。よくがんばったね』と声をかけました」と話しました。

そのうえで「新型コロナウイルスは感染すると本当に怖いということを多くの人が自覚を持ってほしいです」と訴えました。

気丈にも取材に丁寧に対応されていました。
どれほど胸の内は悔しいでしょうに。

3月末時点で、志村さんと同じく肺炎が悪化し重篤な症状の患者さんのうち、
これまでに少なくとも40人が人工心肺装置を使った高度な治療を受け、
およそ半数の19人が回復に向かっていることが専門の学会の調査で分かったそうです。
しかし一方で、6人は亡くなっているそうです。

今でも感染拡大に関して無関心の人がたくさんいます。
外出禁止令の出ている国などに旅行に行ったり、
かかっても若いから風邪程度で収まると思っている人。

もっときちんと考えてほしい。
あなたは大丈夫だったとしても、
あなたの両親は?
恋人は?
会社の同僚は?
あなたの連れ合いは?
もし持病のある子供だったら?
その人たちはこの志村さんの様に重篤な症状になって、
誰にも会うことを許されず、
寂しさの中で死んでいくかもしれないと。

見送る事さえ出来ないあなたは、その時どう思うのか?

考えて下さい。

 

最期の功績

小池都知事がこんな言葉を発しましたね。
賛否あるようですが、『最期の功績』という言葉だけなら
私は受け入れようと思います。

悲しいけれど志村さんが亡くなられたのは動かしようのない事実です。
もちろん世間に新型コロナウイルスの脅威を伝えるために
その命を終えたわけではありません。

でも、新型コロナウイルスによってお亡くなりになったことで、
本当に怖いんだと身近に感じさせてくれた事もまた事実です。

ならば、新型コロナウイルスを軽く思っていた人に考えさせたという事で、
不本意ながら、その死を悼みつつ
身をもって示す形になってしまった志村さんに
この言葉を贈ってもいいんじゃないかと思います。

新型コロナウイルスの一刻も早い収束を祈ります。

どうか安らかに
志村さんと
新型コロナウイルスで予期せず最期を迎えた方々へ
心からご冥福をお祈りいたします。